逆流性食道炎について解説します

逆流性食道炎は日常生活に大きく影響を及ぼすことがある病気です。夜ぐっすり眠れない、食べたいものが食べられない、気分が冴えないなど生活に支障をきたす場合が殆どです。こちらでは逆流性食道炎の原因や対処法を紹介します。

逆流性食道炎に効く薬といえばネキシウム

ネキシウム

逆流性食道炎の薬物治療では、パリエットやタケプロン、タケキャブ、ネキシウムといったプロトンポンプ阻害薬とよばれる酸分泌抑制薬がよく用いられます。
プロトンポンプとは、胃粘膜の壁細胞というところにあり、胃酸分泌を行う最終段階を担っていて、いわば、水道の蛇口のようなものです。
プロトンポンプを抑えると胃酸分泌が強力に抑えられます。
胃酸を含む胃の内容物が食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症が起きた状態が「逆流性食道炎」ですから、プロトンポンプ阻害薬などの酸分泌抑制薬が胃酸を抑えることで、胸やけや呑酸などの不快な症状が軽減されるのです。

さて、プロトンポンプ阻害薬には、何種類かの医薬品がありますが、この中で、ネキシウムは2011年に日本国内で発売された、比較的新しい薬剤です。
ネキシウムの一般名(成分名)はエソメプラゾールといい、すでに発売されていた、世界初のプロトンポンプ阻害薬オメプラゾールを元に作られた薬剤です。
オメプラゾールとエソメプラゾールは本質的には同じものです。
エソメプラゾールは、オメプラゾールより薬の効き目の個人差が少なく、オメプラゾールよりもエソメプラゾールの方が薬として長く作用することができるので、より持続的な作用を得られると考えられています。

逆流性食道炎の治療で、ネキシウムが第一選択薬になり得るのは、他の酸分泌抑制薬、プロトンポンプ阻害薬よりも早く効き、持続性があるために安定感も抜群だからです。
ネキシウムは1日1回で効果があり、胃潰瘍や逆流性食道炎、ピロリ菌の除菌療法に用いられます。

副作用は比較的少ないと考えられていますが、プロトンポンプ阻害薬に特徴的な副作用として「膠原線維性大腸炎」という、大腸の粘膜にコラーゲンが蓄積することで、水っぽい下痢や腹痛が長期間続くものがあります。
万が一、ネキシウムを服用し始めてからお腹の不調、下痢などが続く場合は一旦中止して様子をみましょう。

ネキシウムでピロリ菌の除菌もできる?

ネキシウムは、逆流性食道炎に非常に有効ですが、ピロリ菌の除菌療法にも用いられます。
ピロリ菌は、子供の頃に感染し一度感染すると多くの場合、除菌しない限り胃の中に棲みつづけます。
ピロリ菌に感染すると、胃の粘膜が傷つけられたり、胃の粘膜に炎症が起こります。
胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の方で特に再発を繰り返すときは、ピロリ菌に感染していることが多く、除菌療法が行われます。
ピロリ菌の除菌療法では、1種類の酸分泌抑制薬と2種類の抗生物質の合計3剤を、1日2回、7日間服用しなければなりません。

正しく薬を服用すれば1回目の除菌療法の成功率は約75%といわれており、残念ながら1回目で除菌が成功しなくても、抗生物質の種類を変えて2回目の治療を行うことが出来ます。
除菌療法の薬の組み合わせですが、酸分泌抑制薬としては、オメプラゾール・エソメプラゾール・ラベプラゾール、ランソプラゾール、ボノプラザンなどのプロトンポンプ阻害薬のうちから1種を選びます。
抗生物質は、ペニシリン系のアモキシシリンにプラスして、1回目はマクロライド系のクラリスロマイシン、2回目はニトロイミダゾール系のメトロニダゾールが用いられます。
抗生物質を2種類使うのは、相乗効果で除菌効果を高めるためで、プロトンポンプ阻害薬を併用するのは、抗生物質の効果を最大限に高めるためです。
どちらの場合も、1週間抗生物質を服用するため、腸内細菌のバランスが崩れ、軟便や下痢などが起こりやすくなります。
軽度でしたらそのまま最後まで飲みきって、水様便や血便などのひどい状態の場合は、医師などにご連絡ください。
結論としては、ネキシウム単独でピロリ菌の除菌をすることは出来ませんが、ピロリ菌の除菌療法において、除菌効果を高めるためにネキシウムが用いられます。